アキレス腱断裂術後リハビリについて
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
【アキレス腱断裂術後リハビリ】についてです!!
昨年から、アキレス腱断裂術後の方を診させてもらっているのですが
診始める前は、きちんとアキレス腱断裂の勉強をしたことがなかったので
「あ。。やばい。」と思い、急いでAmazonでアキレス腱断裂関連の本を買い込み、読み漁りました、、、笑
(※Amazonってすごいですね。翌日には届いちゃいます笑)
余談はここまでとして、本題にいきましょう!!
アキレス腱断裂術後で、まず大切なことは何でしょうか??
筋力も、もちろん大切ですがまずは、しっかりと「動く」ということが大切です!!
アキレス腱自体は本来、伸び縮みしない組織です
では、何が原因で可動域制限が起こってくるのでしょうか?
それは周囲の軟部組織(皮膚・脂肪組織・長母趾屈筋腱)の滑走性低下によって起こってきます。
術後、滑走性不全を起こしやすい部位としては下記の部位です
①術部とその周囲組織の表皮
➁術部直上のヒラメ筋とその腹側部(長母趾屈筋)
➂Keyger's Fadpadとその周囲組織
①術部とその周囲組織の表皮
術創部表皮と皮下組織の滑走性不全
皮下組織の中でも、防御脂肪筋膜系線筋膜(PAFS)と潤滑性脂肪筋膜系深筋膜(LAFS)の二つに分かれますが、
運動に伴う滑走性に関与するのは「LAFS」とされています。
また、アキレス腱は滑液鞘(パラテノン)と言われる、脂肪組織に囲まれているため、
表皮との滑走不全が起こりやすいです
ちなみに、Opeの際はこのパラテノンも一緒に縫合されます
➁術部直上とヒラメ筋とその腹側部
下記の画像は②の位置のエコー短軸画像です
アキレス腱(腓腹筋線維)
ヒラメ筋
長母趾屈筋
というような位置関係になっています
これを見てわかるように、ヒラメ筋の上にアキレス腱(腓腹筋線維)、下に長母趾屈筋が存在し
この組織間での滑走が非常に重要になってきます
➂Keyger's Fadpadとその周囲組織
Keyger's Fadpadはアキレス腱下に存在する脂肪体のことで
この脂肪体があることで、アキレス腱に掛かる周囲組織との摩擦ストレスが軽減されています。
Keyger's Fadpadは、3つ(アキレス腱パート・長母趾屈筋パート・滑液包ウェッジパート)に分かれており、
その中でも一番重要なのが、長母趾屈筋パート
長母趾屈筋パートがたわんだり、周囲組織と滑走したりすることで足関節可動域が維持できるのです。
Keyger's Fadpadは脂肪体ですので、脂肪体は様々な形に変形することが大切になってきます。
各パートについての機能
〇アキレス腱パート:アキレス腱に入り込む血管の保護
〇長母趾屈筋パート:底背屈中の滑液包ウェッジの運動に関与
〇滑液包ウェッジパート:滑液包内の圧変化を最小限にする
始めにも言いましたが、アキレス腱自体は本来伸張しない線維です
ですから、しっかりと周辺組織の滑走性が改善してくれば可動域も改善してきます
無理にアキレス腱ストレッチなどをしてしまうと、
再断裂の可能性が高くなってしまうので、注意が必要です!!
術後は固定していますので、必ず術創部や周辺組織の滑走不全は起こってきます
なので、組織間の滑走不全を最小限にする、固定除去後は早期に組織間の滑走不全を除去する
ということが大切になってくるのではないでしょうか
今日はここまで!!
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