足関節外側組織(長・短腓骨筋)について

Thera-hubスタッフ 金澤整形の平峯です!

 

今回は、足関節外側組織特に長腓骨筋・短腓骨筋の特徴ついて書いていきます

 

まずは、付着部からおさらいしましょう

 

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〇長腓骨筋

起始:腓骨頭の外側下面から近位1/2

停止:内側楔状骨・第1中足骨粗面

 

〇短腓骨筋

起始:腓骨外側面の遠位1/2

停止:第5中足骨粗面

 

長・短腓骨筋は外果の後方で上伸筋支帯に、腓骨筋滑車の近傍を下伸筋支帯に覆われて走行します。

 

近位部では、長腓骨筋が前方、短腓骨筋が後方を走行していますが、

 

遠位になるにつれてお互いの位置関係は入れ替わり、長腓骨筋が後方、短腓骨筋が前方を走行するようになります

 

イメージが付きにくいと思いますので、この入れ替わりの部分をエコーにて観察してみましょう

(PL:長腓骨筋 PB:短腓骨筋)

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長・短腓骨筋 短軸

このように、短腓骨筋は遠位では筋腹をもち長腓骨筋の後方に存在しますが、近位になるにつれて腱組織となり長腓骨筋の前方に出てくるように移動してきます

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腓骨筋滑車レベル

腓骨筋滑車レベルでは、完全に短腓骨筋が前方に移動しているのが観察できます

 

また、距骨下関節の内返し(踵骨の内返し)が強い人は、腓骨筋腱が常に伸張された状態にあり筋腱は前方

 

に位置します。長・短腓骨筋が収縮した際に筋腱部は外果に圧迫しながら前方に移動する収縮形態をしてい

 

ますので、この状態で繰り返し収縮が繰り返されると腓骨筋腱炎や腓骨筋脱臼のリスクが高くなります

 

特に短腓骨筋腱は、外果後方で長腓骨筋腱からの圧迫ストレスも受けることから障害部位として多く、

 

繰り返される収縮や機械的圧迫ストレスにより腱内部に存在する線維軟骨が変性することが、慢性痛や

 

腱の亜脱臼とも関連があることが示唆されています。

 

腓骨筋腱炎でも長・短腓骨筋のどちらを痛めているか鑑別するポイントとして、長腓骨筋であれば底屈・外反方向に動かし

 

足底側から、短腓骨筋であれば底屈位で外転方向に動かし足背側から触知すると間違えずに触り分けることができると思います

 

 

以上!今日はここまでにします!!