アキレス腱の解剖と障害発生
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
以前、アキレス腱断裂術後のリハビリについて書いたのを覚えていますでしょうか??
前回は術後リハビリにおける可動域制限の原因について紹介しましたが、
今回はその【アキレス腱の解剖と障害発生】について書いていきます。
(毎回内容が飛び飛びで申し訳ないです。。。)
アキレス腱は、人体最大で最強の腱であると言われていますが、
障害発生率は9%-24%と下腿の中で一番高いとされています!
アキレス腱障害の発生部位としては
①踵骨付着部から近位2cm~6cmの部位(実質部)
➁踵骨隆起付着部(挿入部)
です!!
しかし、この部位での障害発生メカニズムに関しては十分に解明されておらず、
このことが発生率が高いことや予防法が
未確立であることに繋がっていると考えられています。
上記で言ったように、アキレス腱障害は大きく分けて、
Noninsertional(実質部)とInsertional(挿入部)の2つに分けられます。
Noninsertionalでは変性障害、Insertionalでは圧迫と牽引ストレスによる炎症障害が発生しやすく、
アキレス腱障害の好発部位は踵骨付着部近位のNoninsertionalです
では、なぜ踵骨付着部近位2~6cmの部位に多いのでしょうか?
その解剖学的要因の一つとして、アキレス腱に分布する血液供給が関係しています。
アキレス腱の遠位と近位部分は数本の後脛骨動脈から分岐し供給されていますが、
中央部は一本の腓骨動脈から分岐し血液供給されるため、
血流分布自体が遠位部近位部に比べると中央部が虚血領域になっています
また、中央部は腱の横断面積が小さい部位でもあるため
この部分への反復ストレスが加わることが、変性・断裂の発生
メカニズムではないかと言われています。
近年では、踵骨の過回内時にアキレス腱内の歪みが不均一であることが要因として重要視され、
その原因としてアキレス腱の捻じれ構造が注目されています!!
アキレス腱の捻じれ構造については次回の記事で書きたいと思います!!
以上、今回はここまで!!