アキレス腱の解剖と障害発生②

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

引き続き、【アキレス腱の解剖と障害発生】について紹介したいと思います。

 

前回の記事で、アキレス腱内の歪みの不均一と捻じれ構造が

 

障害発生の要因に関係しているのでは?と言いましたが

 

ここ部分を紐解いてみてみましょう!!

 

2012.Lerschらの研究で、新鮮遺体を用いて、踵骨を内・外反した際の

 

アキレス腱近位部と遠位部の内側・中央・外側の成分のストレインを計測したものが

 

ありますが、結果はこうでした↓↓

 

【踵骨外反】

近位:内側・中央・外側のすべてのストレインが減少

遠位:内側・中央→増加  外側→減少

 

このアキレス腱内でのストレインの不均一の要因として

 

アキレス腱の捻じれ構造が考えられます。

 

アキレス腱の捻じれ構造に関しては、100側の遺体を用いた

 

1946.Cumminsらの研究があります。

 

この研究では、捻じれの程度に応じて、TypeⅠ~Typeまで分類してあります

 

右側は反時計回り、左側は時計回りに捻じれており、

 

踵骨隆起付着部の表層内側にヒラメ筋、表層外側に腓腹筋内側頭

 

深層に腓腹筋外側頭が捻じれるように付着しています。

 

各線維はお互いに捻じれるように付着していますが、

 

それぞれの線維自体も捻じれています。

 

これを簡単にいうと、ヒラメ筋は外側から内側に

 

腓腹筋内側頭は内側から外側に付着しています!!

 

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付着部

 

Sol(ヒラメ筋)MG腓腹筋内側頭)LG腓腹筋外側頭)

 

アキレス腱障害の症例では、歩行時の立脚期中期に後足部が内反ではなく外反している

 

ことも他の研究で報告されていますが、この外反で捻じれが緩んでいるところに

 

アキレス腱に大きな負荷が加わることで、アキレス腱内に不均一なストレインが生じることが

 

アキレス腱障害の発生メカニズムに繋がっているのではと、言われています

 

捻じれの方向(右:反時計回り 左:時計回り)に関しては、共通の報告がされていいますが、

 

捻じれの程度については、研究によって違いがあるようです。

 

以上、今日はここまで!!