鼠径部痛

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

3月の勉強会の講義内容でもあった「股関節」に関連して

 

今回は、スポーツでの股関節周辺痛について紹介します

 

スポーツ関連での股関節周辺痛としては、皆さんも良く聞いたり、診たりすると思いますが

 

鼠径部痛症候群(groin painが一般的です。

 

これは、鼠径部の痛みを総称した言い方であり、原因は様々あります

 

大腿内側近位部と鼠経管部が多く、下腹部や大腿前面近位部、睾丸周囲にも疼痛は出現します

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鼠径部痛

サッカーなどのキック動作などでは股関節の内転筋群が強く関わってきますが、

 

蹴り足側の股関節伸展角度が不足している例では、バックスイング時に胸郭が前傾する場合が

 

多く、このままでは股関節最大伸展位から屈曲位に移行する直前に体幹から股関節前面

 

(腹筋群~腸腰筋大腿四頭筋など)にかけての筋の伸張性が得られず、筋の伸張反射を使用

 

できなくなってしまいます。

 

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キック動作(不良)

その代償として、股関節屈筋群内転筋を過剰に使用していまい、鼠径部痛が発症することが

 

考えられます。

 

また、内転角度が不足している例では、フォロースルー時の代償として骨盤・腰椎を過剰に

 

回旋することになってしまいます。

 

解剖学的観点からは恥骨結合には腹直筋の収縮で後上方に、長内転筋の収縮で前下方に

 

牽引ストレスが加わり、恥骨や恥骨結合への負荷が増大するとの研究報告があり、

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腹直筋・長内転筋 付着部

これにより、恥骨へ付着する腹直筋や長内転筋、薄筋の腱炎や断裂が生じるとされています。

 

股関節内転筋群の疼痛誘発テストは存在しないため(※もしあったら教えて下さい。汗)

 

正確な触診による圧痛部位の確認や、伸張させた際の伸張痛の有無などの所見から

 

判断するしかないようです(※理学的所見では)

 

3月の勉強会に参加された方は、実技でおこなった触診や治療が生かせますね!!

 

以上、今日はここまでとしましょう!!