上腕二頭筋長頭腱(LHB)評価について

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

今回は、上腕二頭筋長頭腱LHB)の評価方法についてお伝えします

 

と言いましたが、その前に簡単にLHBの問題について簡単にまとめていきます。

 

LHBは、結節間溝を通過し肩関節内へと侵入していきます。

 

そこから、肩甲骨の関節上結節と上方の関節唇に付着していきます。

 

LHBは、腱鞘に包まれることによって腱滑走による摩擦ストレスが軽減され

 

また、結節間溝部では大結節、小結節をまたぐように横靭帯によって

 

蓋がしてあるような形態をしています。

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ということは、この狭いトンネルを通るLHB機械的ストレスが増加し

 

同部での炎症が生じやすいことがわかります。

 

このトンネル部分でのLHBにストレスをかけて行うのが

 

皆さんも知っている、speed testになります。

 

Speed testでは、収縮した際にLHBのを横靭帯に当てることで、

 

疼痛を誘発するtestになりますので、しっかりと肩中間位・前腕回外位で

 

結節間溝を上に向けて、行うことがポイントになります。

 

 

絵で書くとこんな感じです(汚くてごめんなさい。。。)

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結節間溝部を水平面からみた図ですが、

 

上腕二頭筋が収縮すると、LHBは浮き上がり横靭帯へと当たることになります

 

続いては、ヤーガソンtestです。

 

これは上腕二頭筋が持っているいる、回外作用を利用し上腕二頭筋を収縮させ、

 

その張力が刺激となって疼痛を誘発するtestになります。

 

基本的には、肘90°位で回内位から、抵抗に対して回外運動をすることで

 

疼痛を誘発できますが、この時も肩関節肢位に注意して行うことでより、

 

疼痛誘発をしやすくなります。

 

中間位での、結節間溝でのLHBの合力をみてみると、

 

LHBは結節間溝に向かって押し付けられる力が作用します

 

そのため、ヤーガソンtestではこの合力(押し付ける力)が疼痛を

 

誘発しているということです。

 

また、過伸展位にすると結節間溝部が前方に回転するため

 

そのことにより、LHBの走行は結節間溝を頂点とし大きく折れ曲がり

 

鋭角化することになります。

 

下垂位よりも大きな合力ができ、機械的ストレスを増加させる

 

ことができます。

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明らかに、LHBに圧痛があるのにヤーガソンtestは引っ掛からないな・・・

 

などというときに、このようにLHBの走行を変化させて行ってみて下さい!!

 

以上、今回はここまでです!!