肩甲上神経障害
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
前回の記事では、肩甲上神経は肩甲切痕部と棘下切痕部での
絞扼が起こると、ご紹介しましたが、
今回は、どのようにして肩甲上神経が障害されるのかを書いていきます。
肩甲切痕部では上肩甲横靭帯によって、棘下切痕部では下肩甲横靭帯によって
肩甲上神経は固定されるように張っており、肩甲骨運動の際に
強い圧迫や摩擦ストレス、牽引ストレスが掛かります。
神経はこのような機械的ストレスに弱いため、神経症状が出やすい
ことが想像できるかと思います。
肩甲上神経は肩甲切痕、棘下切痕部を通過するため、肩甲上神経を
診る上での、ポイントは肩甲骨のアライメントになります。
では、どのような肩甲骨アライメントになると
症状が出やすくなるのかというと・・・
肩甲骨の前傾・下方回旋・外転位です。
まず、前傾・下方回旋位になると
関節窩が下方に下がり、肩峰が前方かつ下方へと向きます。
そのため、肩甲切痕部と頸椎との2点間距離が遠くなり
肩甲上神経は、持続的に牽引ストレスが掛かった状態になり
肩甲切痕部では、上肩甲横靭帯が張っているため、靭帯との間で
絞扼されることになります。
また、外転位においても棘下切痕部と頸椎との2点間距離が遠くなるため
肩甲上神経は牽引ストレスが掛かることになります。
このようにして、肩甲上神経障害が起こってきます。
もちろん、肩甲骨アライメントだけではなく、
棘上筋や棘下筋など、周辺組織の機能や柔軟性も関係してきますので
そのあたりも必要になってきます。
以上、今回は肩甲上神経と肩甲骨アライメントの関係でした