腱板断裂の基礎②
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
前回の記事では、腱板断裂のタイプやサイズ、数による
分類をご紹介しました!
しかし、腱板断裂の基礎知識として必ず知っておいてほしい
分類がもう1つあります!あ、、、2つ
分類ばっかりして、どうするんだよ??
って、思いますよね笑
けど、今回のは腱板断裂予後予測をするのにあたって非常に大切です!!
それが、Goutallier(グタリエ)分類です
これは、MRIのT2斜位矢状断像にて棘上筋の脂肪変性度合を分類しています。
棘上筋の筋実質部に対しての脂肪変性の割合です
Goutallier gradeと書いてあることも・・・
Goutallier分類 |
|
Grade 0 |
脂肪なし |
Grade 1 |
脂肪の線あり |
Grade 2 |
脂肪の割合50%未満 |
Grade 3 |
脂肪の割合50% |
Grade 4 |
脂肪の割合50%より高い |
腱板断裂において、棘上筋・棘下筋の筋委縮と脂肪変性は非常に重要な指標になります
研究報告では、腱板断裂術後患者の棘上筋・棘下筋の筋委縮は回復するが、
脂肪変性は回復しないとか・・・
重度の筋委縮・脂肪変性があると術後成績が悪いとか・・・
あまりいいことは言われていないですね
ちなみに、このGoutallier分類のGrade2からが手術が推奨されています
先ほど、いきなり出てきた棘上筋・棘下筋の筋委縮についてですが・・・
筋委縮もしっかりと診ておく必要があります。
筋委縮については、視診や触診にても評価できますが、
ここでは、MRIにて評価する方法をお伝えします。
正確に評価するためには、筋の断面積を測定する方法もありますが、
実際の所は時間が掛かり、臨床では中々使えないです・・・
そこで、簡易的に評価できるのがtangent signという評価法です
これは、棘上筋であれば烏口突起側と肩峰側の肩甲骨を結んだ線より棘上筋の筋実質部が
下になる場合に、また棘下筋であれば肩峰側と下角の肩甲骨を結んだ線より棘下筋の
筋実質部が内側になる場合に筋委縮が陽性とされます。
こちらが、一例です↓↓↓
【棘上筋】
aでは、筋腹部分が上に多くあるが、bでは、筋腹部分が線の下にきており
萎縮ありとなります。
【棘上筋】
aでは筋腹部分が線より右側に多くあるが、bでは、筋腹部分が線の左側に多く
萎縮がありとなります。
今回ご紹介した、分類は1つ目がGoutallier分類、2つ目がtangent signです!
以上、今回はここまでとしましょう!