慢性足関節不安定症(CAI)

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

前回の記事でも言葉が出てきた、

 

慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability:CAI

 

についてお伝えしていきたいと思います。

 

CAIの歴史】

CAI1965年にFreemanによって、はじめて学術的な報告がされました。

 

当時の報告では、主観的な足関節不安定症を有する選手では、

 

内反ストレスX線像での距骨の(内反)傾斜角度が大きいことが示唆されました。

 

 

ここから様々な研究がおこなわれること・・・

 

2002年、HertelCAIの病態を整理する目的でレビュー論文を発表しました。

 

この論文では・・・・

 

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病理学的弛緩、関節キネマティクス異常、関節変性を含む

構造的足関節不安定症(MAI)

 

固有感覚や神経筋コントロール障害、バランス能力の低下などを含む

機能的足関節不安定症(FAI)

 

の組み合わせで生じる、反復性足関節捻挫

 

のことをCAIであると報告しています

 

それから、さらに2011年にはHillerらがHertelが提唱したモデルを発展させた

 

新たな病態モデルを提唱しました。

 

ここでは以下のように、7つのグループに分けて病態を説明してあります。

 

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こうみると、かなり複雑のようですね・・・・

 

 

2013年にはしっかりと整理されて

 

International Ankle ConsortiumCAIの推奨基準というものを発表しています

 

それがこちら!!!

 

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主に

 

〇足関節内がえし捻挫の既往歴

〇足関節giving wayの既往歴

〇質問紙による主観的不安定感

 

から構成されています。

 

 

●足関節内がえし捻挫の既往

→初回の足関節内がえし捻挫の重症度が重度ではなく中等度である

 ことが報告されています

(ここはちょっと、僕もなぜ中等度なのかわからないです。汗 すみません。)

 

 

●足関節giving wayの既往歴

giving way とは定期的に発生する制御不能かつ後足部の過度な内がえし

 

 

●質問紙による主観的不安定感

"FAAM"といってADLかつスポーツ活動中における、足関節の状態を問う

 質問紙を使用。日本語版もでています

 

 

捻挫の子たちを多く診させてもらって感じることは

 

受傷早期や不安定感が強い子たちはやはり

 

訴えとしても、「捻挫しそうで怖い」「グラグラする」

 

って言うことが多いです

 

逆にしっかりとトレーニングしていくと

 

この恐怖感の訴えもなくなってくるので

 

問診では必ず「どんな感じがする?」「恐い感じする?」

 

なんて聞くようにして、一つの指標としています

 

 

以上、今回はここまで!

 

次回は、CAIでの機能障害についてです!

 

 

参考文献↓↓

 

Hertel J. 2002

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC164367/

 

Hiller CE.2011

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3070500/