股関節前面エコー
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
今回はやっと股関節エコーに入っていきます!
足・膝に関してもまだまだ診るところは多いのですが
診る機会が多いものから挙げさせてもらっています!
そんなところで今回は股関節!!
股関節前面痛の時は診る機会があるかと思います!
まずは、AIIS(下前腸骨棘)を指標にみていきましょう
外側に中殿筋
内側に腸腰筋
そのあいだに縫工筋という位置関係になります
AIISの上に黄色で示しているのは、大腿直筋腱になります
大腿直筋は寛骨臼上縁に付着する反回頭、
AIIS(下前腸骨棘)に付着する直頭がありますが
今回、抽出しているのはAIISに付着する直頭の腱部分になります。
そこからさらに下に行くと、、、
大腿骨頭が見えてきます
次は、大腿骨頭を指標に筋の位置関係をみていきます
この位置では、大腿骨頭を指標に
大腿直筋、IC(iliocapsularis)、縫工筋、腸腰筋をみていきます
IC:iliocapsularisは
腸骨関節包筋とも言われており、大腿直筋の下に存在し
前面関節包と癒合した部分もあり、解剖でも分けられないそうです
屈曲時の前方でのインピンジメントなどを防ぐためにも
ICや大腿直筋などの筋の柔軟性を獲得しておくことは
かなり重要になるかと思います
以上今回はここまで!
エコーの勉強をしていると、解剖学的なイメージもしやすくなり
触診などにも生きてくるので、普段エコーをされない方でも
機会があれば、エコーのウェブセミナーなど参加されてみてください
個人的には超おすすめです笑
膝関節後面エコー
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
最近、改めてエコーってすごいなー
と感じたのそのことを共有していきますね笑
膝OAの方で、膝窩部?どちらかというと
下腿後面近位(半膜様筋~腓腹筋内側頭)あたりの痛みを
訴える方がいて、痛みが筋性のものでしたので
ちょっとエコーを当ててみました。。。。
すると、、、
左脚
このような像が、観察できました
第一印象は、白っ!!筋薄っ!!
って感じでしたね
見慣れない方はなんのこっちゃって
なると思いますので健常者を載せておきますね
右脚
(※以前にも使用した画像です、足が左右逆ですみません)
まず、健常と比べると全体的な黒さが違うのが
一目瞭然ですね。
エコーでは、水分は黒く映るため、筋内に十分に水分があれば
このように、全体が黒く映ります
しかし、膝OAでは全体が白いですよね
これはいわゆる、組織の脱水状態が起こっているということです
この状態では、組織間は動きにくいのはもちろんのこと
筋も活動しにくくなりますよね
こう比べてみると筋ボリュームも
明らかに違うのがわかりますね
(年齢も性別も違いますのであくまで参考までに、、、)
ではなぜ、このように筋のエコー画像に差が出るのでしょうか?
そこれは、先ほども出てきた
水分が関係してきます
膝OAなど痛みによって不動が続くと
筋組織内の水分が入れ替わらずに、
組織間に膠原線維(コラーゲン線維)が
増加していきます。
このことを高密度化といいます。
水分が抜けて、高密度化が起こったところでは
上記のように、筋が白く映ります。
この状態を回避するためには、やはり運動が必要です
筋収縮を行うことで、水分の循環が起こり
膠原線維の過剰な増加を防ぐことができるかと思います。
こういった筋組織自体の大まかな変化を
見ることができるエコーは
やっぱりすごい笑
以上今回はここまで!!
膝関節エコー Part2
膝関節エコー Part2
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
今回は【膝関節エコーPart】2ということで、
メジャーな部分の復習と最近の知見も含めて
お伝えしていこうと思います。
【今回の内容】
・膝関節前面
(大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋)
・膝関節内側裂隙、内側半月板
【膝関節前面】
大腿直筋:Rf
内側広筋:VM
外側広筋:VL
中間広筋:IM
まずは、大腿遠位に当てていきましょう!
※この画像は大きさの関係で2つの画像をつなぎ合わせています
外側広筋ー大腿直筋ー内側広筋の深層に中間広筋が
観察することができます。
こうみると中間広筋がかなり広くひろがっているのがわかります
もう少しわかりやすいように
拡大しつつ内外側をわけてみていきましょう
内側広筋の深層にはこれだけしか中間広筋が広がっていないのに対し
外側広筋の深層では・・・
こんなに広く広がっているのがわかります
内側より外側の方に広がっているんですね
【内側裂隙・内側半月板】
ここでは、内側裂隙での内側半月板逸脱をみていきます
正常であれば、膝関節屈伸に伴って内側半月は動きます
特に屈曲に伴っては、関節内に引き込まれるようにように
動いていくのが特徴的です。
〈伸展位〉
〈屈曲位〉
今年の論文報告でもあるのです
膝窩部痛の原因でもある、内側半月板後根断裂(MMPRT)と
この内側半月板逸脱の程度において関連性があるとされています
・膝伸展位での逸脱の程度が2.6mmを越える場合
内側半月板後根断裂を疑う
・伸展位→屈曲位において、屈曲位での逸脱が1mm以上減少
しなければ内側半月板後根断裂を疑う
というような報告がされています。
こうみると僕の膝は危ないような気がしますね笑
屈曲位になると内側半月板は引き込まれるはずなのに
むしろ出てきているような気が・・・笑
以上今回はここまで!!
足関節 内外側組織エコー(ちょっと後面)
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
今回は解剖学的にも特徴のあるところを
というか、わかりやすいところ??笑
を取り上げています!
【今回の内容】
・長短腓骨筋(筋腹)
・脛骨内側面(ヒラメ筋・長趾屈筋)
・下腿後面(腓腹筋・ヒラメ筋・長母趾屈筋)
【長腓骨筋(PL)・短腓骨筋(PB)】
まずは、下腿外側にあててみましょう
ここで見えてくるのは、長腓骨筋と短腓骨筋の筋腹部分です
腓骨の上に短腓骨筋、またその上に長腓骨筋が
乗るように存在しています。
ここでは、お互いの筋腹が大きくみえるのですが
もう少し遠位に下っていくと・・・
長腓骨筋はこのあたりで、腱性組織になっていきます
短腓骨筋もだんだん薄くなっていくのがわかるかと思います。
腹側よりかは、背側(後方)にのぺーっと広がっているので
背側からの方が触りやすそうですね
【下腿後面(腓腹筋・ヒラメ筋)】
次は下腿の後方をみていきますね
この辺でポンっとおいて見えるのが
腓腹筋、ヒラメ筋・後脛骨筋の一部になります
ここからちょっと外側に振っていくと
腓骨の後方を走る、長母趾屈筋がみえるようになります
腓腹筋と長母趾屈筋の筋厚に注目してみていくと
近位の方では腓腹筋外側頭が大きくみえ
長母趾屈筋はペラペラのようにみえますが・・・
だんだんとこの位置関係が逆転していきます
腓腹筋はアキレス腱の一部になるために
膜状組織になり、だんだんと薄くなっていきます
遠位の方では完全に腓腹筋は膜状組織になり
筋腹は観察できなくなります
その代わり、長母趾屈筋の筋厚が大きくみることができます
【脛骨内側面(腓腹筋内側頭・ヒラメ筋・長趾屈筋)】
最後は、シンスプリントでも原因となる
脛骨内側面をみていきましょう
まずは、この位置でぽんっとみてみましょう
するとここでは、腓腹筋内側頭の下にヒラメ筋を
観察することができます
ここからまた、遠位にスライドさせていきます
だんだんとヒラメ筋の範囲が広くなってくるのがみえてきます
腓腹筋はアキレス腱になっていくため、筋腹は小さくなっていきます
さらに、遠位になるとヒラメ筋の下には
長趾屈筋が観察できるようになり
ここは下腿の遠位1/3辺りの所になります
シンスプリントではこの長趾屈筋が硬くなることが
原因とも言われています。
以上今回はここまで!!
足関節前方組織のエコー
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
足関節前方組織でよく見る箇所!!
ということで、
【今回の内容】
・距腿関節〈TA(前脛骨筋)EDL(長趾伸筋)EHL(長母趾伸筋)〉
・距骨前脂肪体(pre talar fadpad)
・浅腓骨神経(内側足背皮神経・中間足背皮神経)
まずは、脛骨遠位前面にプローブを当ててみましょう
すると、脛骨の上に足背動脈が観察できます。
【距腿関節】
そのまま遠位にずらしていくと・・・
一旦、脛骨がなくなります
そこからさらに遠位に動かしていくと
距骨滑車が観察できるようになります。
ここでは、距骨滑車上に
内側からTA・EHL・EDLがみることができます
さらにその下には、距骨前脂肪体が存在します
【距骨前脂肪体】
先ほどの距腿関節部をTA腱に沿って
長軸に合わせるこのように観察でき
距腿関節の前面に存在する
距骨前脂肪体を観察することができます
【浅腓骨神経】
PB・・・短腓骨筋
浅腓骨神経は下腿前面遠位のやや外側面で
短腓骨筋と長趾伸筋の間に観察することが出来ます。
底屈制限に対して、浅腓骨神経へのハイドロリリースなども最近は
出てきているみたいです
当院でも足関節へのハイドロをどんどん行っていきたいのですが
なんせ、足への注射に対して抵抗感がある方が多く
なかなかできていないのが現状です・・・笑
以上今日はここまで!!
膝エコー
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
先日の勉強会に参加された方はお疲れ様でした!
そこで今回は、【膝エコー】
特に、先日出てきた解剖の箇所をを中心にお伝えしていきたいと
思います。
(本当は足底部から下腿へと徐々に行こうと思ってたのですが
せっかくなので復習がてら膝エコーにします!)
まずは
【今回の内容】
・大腿骨関節面(軟骨)
・内外側膝蓋支帯(横線維)
・膝蓋下脂肪体
おまけの 伏在神経(内側下腿皮枝)
それでは【大腿骨関節面(軟骨)】からいきましょう!
関節軟骨は水分を多く含むためこのように黒く映ります
評価は軟骨がぶさぶさしてないか
関節軟骨の厚さを左右差でみていきます
この画像を取る際は膝を90°~最大屈曲位にすることで
関節面を観察することができます
【内外側膝蓋支帯(横線維)】
縦線維をべろっとめくると、横線維がみえてきます
とその前に、、、、
イラストは右膝
エコーは左膝
です。。
混乱しちゃうかもしれませんが
すみません!!
膝蓋下脂肪体は、膝蓋靭帯の下に存在し
このように、関節腔内へと広がります
また、脛骨と膝蓋靭帯の間には深膝蓋下滑液包があります。
この部分は屈曲制限にもなりますので
制限があるときは、この部分に徒手で介入したり、ハイドロリリースなども
有効な場合があります。
全体的な白さ(水分量)や動態(setting、compression test)などを
主に評価をしていきます
最後におまけ・・・
伏在神経のうち下腿への枝をだしている
【内側下腿皮枝】です
しかし、本来であれば自分の脚で抽出できれば
いのですが、どうもうまく抽出できないので
今回ばかりは他から引っ張ってこさせてもらいました(汗)
伏在神経もバリエーションがいくつかありますのでその影響なのか
エコーの問題なのか、技術的な問題なのか(笑)
わからないですが・・・今回はすみません。。。
エコーの勉強をする際に使用している、参考書の1つでもある
「臨床整形外科 増大号 臨床整形超音波学 医学書院 2020」から
ここの抽出方法に関しては、僕ももっと練習をしておきます(汗)
また何か発見があったら皆さんにお伝えしていければと思います!
以上、今日はここまで!!
足底部エコー
Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!
今回からは、エコーの内容を中心にお伝えしていきたいと思います
最初からちょっとマニアックかもしれない足底部のエコー
ですが、宜しくお願い致します。笑
※赤四角はプローブの位置になります
【今回の内容】
・踵骨脂肪体
・足底腱膜
・短趾屈筋
・足底方形筋
まずは、踵骨脂肪体の短軸 です
ここではポンっと、踵骨に向かって当てるだけで
踵骨の上に広がる、踵骨脂肪体が観察できます。
踵骨脂肪体は踵の痛みの原因の一つにもなるため、
見逃さないためにも、チェックはしておきましょう
そのまま遠位にプローブをずらしていくと
足底腱膜の下に短趾屈筋、またその下に足底方形筋が
観察することができます
3つの層構造がこちらです(短軸)
赤矢印で示しているところは、短趾屈筋の筋内腱になります
では、この位置で短軸→長軸に変えてみると
このような像が抽出されます
ちなみに、足底腱膜の上に見えているものは
先ほどみた、踵骨脂肪体の一部になります
短趾屈筋は踵骨隆起の下面に付着する線維と、足底腱膜に付着する線維に
分かれてきます
こうみると、足底腱膜炎では短趾屈筋も関与してくるのが
想像できるかと思います。
これからさらに短軸で、遠位に移動するとこのような像がでてきます
短趾屈筋の下に存在する、足底方形筋が徐々に薄くなっていきます
足底方形筋は最終的に、長趾屈筋腱の外側縁に付着し
長趾屈筋の補強としても働くそうです
以上今回はここまで!!