膝エコー

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

先日の勉強会に参加された方はお疲れ様でした!

 

そこで今回は、【膝エコー】

 

特に、先日出てきた解剖の箇所をを中心にお伝えしていきたいと

 

思います。

 

(本当は足底部から下腿へと徐々に行こうと思ってたのですが

せっかくなので復習がてら膝エコーにします!)

 

まずは

【今回の内容】

・大腿骨関節面(軟骨)

・内外側膝蓋支帯(横線維)

・膝蓋下脂肪体

 

おまけの 伏在神経(内側下腿皮枝)

 

 

それでは【大腿骨関節面(軟骨)】からいきましょう!

 

 

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関節軟骨は水分を多く含むためこのように黒く映ります

 

評価は軟骨がぶさぶさしてないか

 

関節軟骨の厚さを左右差でみていきます

 

この画像を取る際は膝を90°~最大屈曲位にすることで

 

関節面を観察することができます

 

 

【内外側膝蓋支帯(横線維)】

縦線維をべろっとめくると、横線維がみえてきます

 

とその前に、、、、

 

イラストは右膝

エコーは左膝

 

です。。

 

混乱しちゃうかもしれませんが 

 

すみません!!

 

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膝蓋下脂肪体は、膝蓋靭帯の下に存在し

 

このように、関節腔内へと広がります

 

また、脛骨と膝蓋靭帯の間には深膝蓋下滑液包があります。

 

この部分は屈曲制限にもなりますので

 

制限があるときは、この部分に徒手で介入したり、ハイドロリリースなども

 

有効な場合があります。

 

全体的な白さ(水分量)や動態(settingcompression testなどを

 

主に評価をしていきます

 

 

最後におまけ・・・

 

伏在神経のうち下腿への枝をだしている

【内側下腿皮枝】です

 

 

しかし、本来であれば自分の脚で抽出できれば

 

いのですが、どうもうまく抽出できないので

 

今回ばかりは他から引っ張ってこさせてもらいました(汗)

 

伏在神経もバリエーションがいくつかありますのでその影響なのか

 

エコーの問題なのか、技術的な問題なのか(笑)

 

わからないですが・・・今回はすみません。。。

 

エコーの勉強をする際に使用している、参考書の1つでもある

 

「臨床整形外科 増大号 臨床整形超音波学 医学書院 2020」から

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ここの抽出方法に関しては、僕ももっと練習をしておきます(汗)

 

また何か発見があったら皆さんにお伝えしていければと思います!

 

 

以上、今日はここまで!!

足底部エコー

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

今回からは、エコーの内容を中心にお伝えしていきたいと思います

 

最初からちょっとマニアックかもしれない足底部のエコー

 

ですが、宜しくお願い致します。笑

 

赤四角はプローブの位置になります

 

 

【今回の内容】

・踵骨脂肪体

・足底腱膜

・短趾屈筋

・足底方形筋

 

まずは、踵骨脂肪体の短軸 です

 

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ここではポンっと、踵骨に向かって当てるだけで

踵骨の上に広がる、踵骨脂肪体が観察できます。

 

踵骨脂肪体は踵の痛みの原因の一つにもなるため、

見逃さないためにも、チェックはしておきましょう

 

 

そのまま遠位にプローブをずらしていくと

足底腱膜の下に短趾屈筋、またその下に足底方形筋

観察することができます

 

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3つの層構造がこちらです(短軸)

 

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赤矢印で示しているところは、短趾屈筋の筋内腱になります

 

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では、この位置で短軸→長軸に変えてみると

このような像が抽出されます

 

ちなみに、足底腱膜の上に見えているものは

先ほどみた、踵骨脂肪体の一部になります

 

短趾屈筋は踵骨隆起の下面に付着する線維と、足底腱膜に付着する線維に

分かれてきます

 

こうみると、足底腱膜炎では短趾屈筋も関与してくるのが

想像できるかと思います。

 

これからさらに短軸で、遠位に移動するとこのような像がでてきます

 

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短趾屈筋の下に存在する、足底方形筋が徐々に薄くなっていきます

 

足底方形筋は最終的に、長趾屈筋腱の外側縁に付着し

 

長趾屈筋の補強としても働くそうです

 

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以上今回はここまで!!

慢性足関節不安定症(CAI) Part 2

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

引き続き、慢性足関節不安定症(CAI)についてご紹介していきますが、

 

今回は「病態」について!!

 

慢性足関節不安定症の病態を大まかに分類すると

 

〇バランス機能障害

〇固有受容感覚機能障害

〇筋機能障害

〇異常キネマティクス(運動学)

 

という4つになります

 

【バランス機能障害】

CAIにおいては、

静的も動的も、どちらにもバランス機能の障害を認めます。

 

バランス機能障害に関連する因子は以下のように言われています

①足関節外側靭帯や関節包の求心性神経線維の損傷

②足底感覚の低下

③体性感覚入力障害による視覚情報への依存

④足関節背屈可動域制限

⑤足関節外返し筋力の低下

 

ここでも少し解説

 

外側靭帯にも受容器が存在

→その受容器は近位と遠位の付着部に多く存在

→損傷は近位付着部が多いため、損傷の際これらの受容器も損傷

→そのため靭帯から指令が遅れる

 

②③

片脚立位など一見大丈夫そうでも、閉眼させると一気にバランスを

崩すことが多いです

 

やはり、こういったところからも視覚情報に依存している

ということが言えそうです

 

④⑤に関しては

下で解説しています!!
 

 

【固有受容感覚機能障害】

特に、足関節の底屈・内がえし方向のへの関節位置覚の低下

が多いとされています

 

【筋機能障害】

CAIにおける筋機能障害は「長腓骨筋」が取り上げられることが多いです

 

強制的に内がえしさせた際の長腓骨筋の反応時間が遅延する

 

とか、歩行時の長腓骨筋の筋活動が増大するとも言われている一方

 

歩行や着地動作での長腓骨筋の活動減少の報告もあり、

 

なかなか定まっていないのが現状のようです

 

足関節では、やはり足底部でのクロスサポートメカニズムが

 

非常に大事になってきますので、

 

内がえし筋(後脛骨筋)、外がえし筋(長・短腓骨筋)両方の

 

レーニングが必須かと思います。

 

また、足関節だけではなく股関節における報告も数多く

 

CAI群では股関節の外転・外旋筋力の低下も認められています。

 

外転・外旋筋力の低下があるから捻挫をしやすいのか

 

捻挫をするから、外転・外旋筋力が弱くなるのかまでは

 

分かりませんが、股関節との関連はあるため、股関節周囲の

 

レーニングをおろそかにしてはいけませんね

 

(ほんと股関節よわよわです。外転のMMT2とかばっかりです笑)

 

【異常キネマティクス

歩行時の前足部の内かえしが増大しているや

 

下腿の外旋が増大し、足関節の背屈可動域制限がある

 

ということが言われています。

 

背屈制限を足部外転することによって代償して

 

いかにも「背屈出てますよ!!!!!!!!」

 

みたいな人ほんと多いですよね。笑

 

他にも、歩行やランニング時の足圧中心が外側に偏位している

 

などの異常キネマティクスにおける報告があります。

 

以上、今回はここまで!!

慢性足関節不安定症(CAI)

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

前回の記事でも言葉が出てきた、

 

慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability:CAI

 

についてお伝えしていきたいと思います。

 

CAIの歴史】

CAI1965年にFreemanによって、はじめて学術的な報告がされました。

 

当時の報告では、主観的な足関節不安定症を有する選手では、

 

内反ストレスX線像での距骨の(内反)傾斜角度が大きいことが示唆されました。

 

 

ここから様々な研究がおこなわれること・・・

 

2002年、HertelCAIの病態を整理する目的でレビュー論文を発表しました。

 

この論文では・・・・

 

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病理学的弛緩、関節キネマティクス異常、関節変性を含む

構造的足関節不安定症(MAI)

 

固有感覚や神経筋コントロール障害、バランス能力の低下などを含む

機能的足関節不安定症(FAI)

 

の組み合わせで生じる、反復性足関節捻挫

 

のことをCAIであると報告しています

 

それから、さらに2011年にはHillerらがHertelが提唱したモデルを発展させた

 

新たな病態モデルを提唱しました。

 

ここでは以下のように、7つのグループに分けて病態を説明してあります。

 

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こうみると、かなり複雑のようですね・・・・

 

 

2013年にはしっかりと整理されて

 

International Ankle ConsortiumCAIの推奨基準というものを発表しています

 

それがこちら!!!

 

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主に

 

〇足関節内がえし捻挫の既往歴

〇足関節giving wayの既往歴

〇質問紙による主観的不安定感

 

から構成されています。

 

 

●足関節内がえし捻挫の既往

→初回の足関節内がえし捻挫の重症度が重度ではなく中等度である

 ことが報告されています

(ここはちょっと、僕もなぜ中等度なのかわからないです。汗 すみません。)

 

 

●足関節giving wayの既往歴

giving way とは定期的に発生する制御不能かつ後足部の過度な内がえし

 

 

●質問紙による主観的不安定感

"FAAM"といってADLかつスポーツ活動中における、足関節の状態を問う

 質問紙を使用。日本語版もでています

 

 

捻挫の子たちを多く診させてもらって感じることは

 

受傷早期や不安定感が強い子たちはやはり

 

訴えとしても、「捻挫しそうで怖い」「グラグラする」

 

って言うことが多いです

 

逆にしっかりとトレーニングしていくと

 

この恐怖感の訴えもなくなってくるので

 

問診では必ず「どんな感じがする?」「恐い感じする?」

 

なんて聞くようにして、一つの指標としています

 

 

以上、今回はここまで!

 

次回は、CAIでの機能障害についてです!

 

 

参考文献↓↓

 

Hertel J. 2002

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC164367/

 

Hiller CE.2011

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3070500/

足関節捻挫後のスポーツ復帰について

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

最近、British of Sports Medcine(BJSM)スポーツ界の世界トップジャーナル

 

から足関節捻挫後のスポーツ復帰に関する

 

評価項目についての最新の論文が発表されたのでご紹介していきます。

 

全文は見れないので一部のご紹介になり

 

本当に簡単なご紹介になりますが、ご了承ください。。。

 

 

 

足関節捻挫に関しては、スポーツ復帰時期の明確な評価項目が

 

今まではありませんでした。

 

何となくOKだったり、痛みがなくなればOKだったり

 

はっきりと決まってないのが現状かと思います。

 

捻挫後の慢性足関節不安定症(CAI)や変形性足関節症への移行が

 

多いことは様々なレビューで言われているのですが、

 

捻挫くらい大丈夫だろ

 

っていう風潮がまだまだありますよね

 

僕たちが捻挫後のケアの大切さをもっと伝えていかないと

 

いけないんだろなと、思うのですがなかなかうまくはいかないですね。

 

 

 

ちなみに文献はこちら

 

Return to sport decisions after an acute lateral ankle sprain injury: introducing the PAASS framework-an international multidisciplinary consensus

<https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34158354/>

 

この中では、16の評価項目があり、これらの項目は5つの領域に分けられます。

 

BJSMFacebookに載せてある、画像から引用します

 

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日本語でまとめるとこのような感じになります。

 

〇痛みの程度

スポーツ参加中の痛み

24時間以内の痛み

 

〇足関節の状態

足関節の可動域

足関節の筋力・筋持久力

 

〇アスリートの認識

足関節に対する自信・安心感の感じ方

足関節の安定感の認識

 

〇感覚運動制御

固有感覚受容器

動的姿勢制御・バランス

 

〇スポーツ・機能的パフォーマンス

ホッピング・ジャンプ

アジリティ

スポーツ特有のアクティビティ

フルトレーニングセッションを完了する能力

 

 

どちらかというと、スポーツを開始する時期というよりかは、

 

スポーツ完全復帰時期に行うべき評価項目といった感じかと思います。

 

 

ここからは参考までに・・・

 

 

足関節捻挫の保存的マネジメントと予防について記載された

 

National Athletic Trainer's Association(NATA)によると

 

足関節捻挫の予防に対する、対策として

 

1)バランスや神経筋コントロールに重点を置いた総合的リハビリテーション

3ヶ月以上続けること

 

2)足関節周辺筋群、股関節伸展及び外転筋群を強化・改善すること

 

3)背屈可動域を改善すること

 

以上の3つが推奨されています。

 

特に1)は十分なエビデンスがあり、推進度A(強い推奨)となっているようです

 

以上、今回はここまでとしましょう!

膝蓋下脂肪体~アップデート②~

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

今回は、膝蓋下脂肪体 アップデート版の第2弾です!

 

とは言え、前回の続きです。

 

前回は浅層・深層に分けてお話をしてきました

 

なぜここまで、膝蓋下脂肪体についてお話をしているかというと・・・

 

かなりの頻度で遭遇する痛みでもあるからです

 

高齢やだけではなく若い人でも多いです。。。

 

AKP(anterior knee pain)といって階段昇降時やしゃがみ込み時の

 

膝前面痛は、膝蓋下脂肪体が原因でもあると言われているくらいです。

 

前回の記事で紹介した厚みの変化率

 

浅層が20.6 

深層が1.3

 

でしたね

 

AKPでは、この厚みの変化率が低下するとも

 

言われています。

(変化率が低下するということは、固まっているということ)

 

また、膝屈伸時の流動速度(動く速さ)

 

AKPでは低下することが言われています。

 

 

※伸展すると、IFPは関節腔から出てきて深膝蓋下滑液包の方に移動していきます。

 

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膝蓋下脂肪体自体をダイレクトにマッサージなどをしながら

 

屈伸を繰り返す方がよりよさそうですね

 

OAの人など、屈伸時に膝がぐちぐち音がなる人がいますよね?

 

きっと、この硬くなった膝蓋下脂肪体が

 

頑張って狭い中を動くことで音が鳴るんだろなと思います。

 

もちろん膝蓋下脂肪体自体の硬さが原因のこともありますが、

 

OAの人って膝窩部めっちゃ硬くないですが?

 

何筋と何筋が・・・というよりかは

 

全体的にぱつっと硬い感じがしませんか??

 

もちろん、以前の記事でも書いた

 

半膜様筋~腓腹筋内側頭の硬さもありますが

 

復習がてら↓↓

https://vaselinex.hatenablog.com/entry/2021/01/13/190047

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このように、膝窩部にも脂肪性結合組織が多数存在するため

 

硬くなりやすい要因なのかなと思います。

 

膝窩部が硬くなるということは、膝蓋下脂肪体の入る(屈曲時に)

 

スペースがなくなり、そのことにより膝蓋下脂肪体自体の圧が高まることで

 

痛みが出やすくなります。

 

膝蓋下脂肪体自体の硬さが問題のこともあれば

 

周辺組織硬さの影響により脂肪体の圧が高まることで

 

脂肪体由来の痛みがでることもあるので

 

どちらもチェックが必要そうですね!

 

以上、今日はここまで!

膝蓋下脂肪体 ~アップデート~

Thera-hubスタッフ 金澤整形外科の平峯です!

 

だいぶ前に膝蓋下脂肪体についての記事を書いたのを

 

覚えていますでしょうか??笑

 

忘れている方はこちらをチェックしてみて下さい↓↓↓

https://vaselinex.hatenablog.com/entry/2021/01/27/191526

 

 

先週、足関節の事書いているの忘れて

 

膝の記事書いてしまいました。汗汗

 

流れ的に内側靭帯の事書こうと思っていたのですが笑。すみません

 

膝蓋下脂肪体のアップデート版なので、ぜひ目を通してみて下さい!

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少しおさらいもかねて・・・

 

膝蓋下脂肪体をエコー長軸で観察するとこのようにみえます

 

膝蓋靭帯の下かつ、関節腔内に存在するのが膝蓋下脂肪体です

 

脂肪体は膝の屈伸に伴って関節腔内を出たり入ったりします

 

これをもっとよく、観察してみると

 

実は、浅層と深層に分けられるということが言われています。

 

赤線の所が境目になります

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浅層と深層の大きな違いは以下の通りです

 

浅層・・・脂肪小葉が大きく変形しやすい

深層・・・脂肪小葉が小さく変形しにくい

 

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模式図で表すとこんな感じです

 

厚みの変化率(どれくらい潰れたか)も

 

浅層が20.6 

深層が1.3

 

とかなり違いがあるようです

 

先ほどの屈伸時の動きでいうと

 

浅層は潰れないといけない

 

しかし、深層は潰れにくい分

 

しっかりと動かないとけいないということになります

 

なかなか画像だけでは伝わりにくい部分もありますが

 

エコーが使える方はぜひ

 

脂肪体の浅層深層での動きの違いを見てみてください

 

当て方によっても、境目が分かりやすかったり

 

分かりにくかったりしますので、いろいろな角度から

 

当てることをおススメします

 

健常であれば意外とはっきり見えます

 

それでは今回はここまで!